心の病理や障がいを知り、いまを生きるひとと向き合う自分になる
臨床の現場に学ぶ実践的な知識
不登校、いじめ、神経症、精神障がい、発達障がいなど、心の問題を支える専門家が公認心理師および臨床心理士です。学校、病院や福祉施設、民間企業など、あらゆる分野でニーズが高まっています。
臨床領域では、臨床心理士が実際におこなっている各種の心理療法やカウンセリングなど、心の支えを求める人たちへのアプローチを基礎から学びます。さまざまな心理テストによる人格診断の技法、多岐にわたる事例研究、心理療法の各種理論などを体験的に学ぶことによって、臨床心理学への理解を深めます。ゼミによっては、不登校の子どもや虐待された子どもたちをケアする施設を訪れたり、1週間程度の合宿実習をおこなうこともあります。
公認心理師の資格を取得する場合,学部4年間で必要な科目を履修後,卒業後に大学院へ進学することによって,国家試験の受験資格を取得できます。愛知淑徳大学では,学部および大学院博士前期課程にて,公認心理師試験受験のための必要な科目をすべて履修できるようになっています。また,臨床心理士資格を取得する場合も卒業後に大学院への進学が必要です。愛知淑徳大学大学院は、日本臨床心理士資格認定協会から臨床心理士第1種指定大学院として認められており、指定された科目を履修すると、修士号取得後すぐに受験資格が得られるという一貫体制が整備されています。
心の課題を多角で捉え、多軸で考えると、時代と自分が見えてくる
人の心の問題には社会のあり方や人々の生き方が反映されるため、臨床心理学を学ぶことは時代を知ることにもつながります。人々の心に影を落とす時代の課題を見据え、心の傷を生み出す要因を多角的に分析することを通して、人間に対するまなざしがより深く広いものとなるのです。
また、自分を知ることも重要です。自分の中に眠る、もう一人の自分、無意識に排除された、都合の悪い自分、いやな自分です。自分の弱さや傷を見つめること、その痛みを知ることはとてもつらい作業ですが、それをくぐり抜けた強さはやがて大きな財産となり、他者への優しさとなって現れます。臨床心理学は、このように自分を見つめることから、新しい視野、発想を広げることを重視しています。
教授陣には臨床心理学の専門家がずらりとそろい、多様な授業を展開しています。家族療法など臨床面接についてロールプレイするという体験的実習、臨床心理士としての病院での経験に基づいた講義、スクールカウンセラー経験に基づいた児童・生徒の心の問題への心理臨床的接近、地域支援やストレスマネジメントなどの近年重要視されてきつつある支援方法の理解など、講義やゼミという多様な形態で開講されています。
卒業論文の例
- 中学生のソーシャルサポートとアサーションとの関連―サポート源にも注目して―
- 福島原発事故が与えた広域避難家族への影響
- 大学生における対人ストレスコーピングとセルフ・コンパッション、自己効力感との関連性
- 箱庭療法の基礎的研究―空間象徴とアイテムイメージの関連について―