臨床心理学領域

大崎　園生　教授

Sonoo Osaki, Professor

専門分野：被害者心理、青年心理

主な科目：地域支援と臨床心理学

伝統的に心理臨床実践は，面接室における個別の心理療法を主な活動の舞台としてきました。しかし今日，スクールカウンセラーをはじめとして，社会のなかで心理臨床実践を行うことが求められ，社会のなかで起きている問題に対してアプローチしていくことが必要になっています。臨床心理士の活動として臨床心理的地域援助が定められており，問題解決のためには，悩みを抱えている個人だけではなく，その個人をとりまく環境へ働きかけることや，他の専門機関と連携することが重要です。この講義では，臨床心理学的地域援助の考え方と方法について，さまざまな領域における例をあげながら概説していきます。

卒論課題の例：
○大学生のアンビバレントな状態の自己開示抵抗感 —信頼感と養育態度をふまえて—
○音楽の種類と性格傾向の組み合わせによる音楽聴取の効果
○大学生のPTG体験について —レジリエンスに注目して—

清瀧　裕子　教授

Yuko Kiyotaki, Professor

専門分野：臨床心理学

主な科目：子どもの心理臨床

子どもの心や発達を、臨床理論から概説します。そして、乳幼児期から思春期までの子どもが示す心理的な問題・症状を、臨床理論、発達という時間軸、家族や社会との関係性から理解します。さらに、子どもの内的世界を理解し、子どもと家族に対する心理療法の基礎理論と実践について学びます。

卒論課題の例：
○中学生のいじめ場面における第三者立場の心理的特徴 －傍観者，観衆，援助者の立場－
○大学生時における学業適応感が学校嫌いに及ぼす影響 －中学生時との比較－
○自閉症児への支援の実践

髙橋　昇　教授

Noboru Takahashi, Professor

専門分野：臨床心理学、心理査定学

主な科目：医療の心理臨床

医療の中での心理学を心理臨床家の立場から概観し、総合医療から精神科医療に的を絞りつつ、基本的な理解とともに、どのように臨床心理学的な立場からかかわっていくのか、それがどのような意味を持つのかを理解していきます。

卒論課題の例：
○対人恐怖を示すひきこもりについて
○青年期の抑うつとパーソナリティーの関連性における性差 －Cloninger理論の性格特徴を用いて－
○福島原発事故が与えた広域避難家族への影響

西出　隆紀　教授

Takanori Nishide, Professor

専門分野：臨床心理学、家族心理学

主な科目：心理療法

数多く存在する心理療法の基礎理論について講義します。精神分析各学派，現象学的人間学派，家族療法・短期療法など各学派の発達論，治療論，症候論，パーソナリティ論などを具体的な事例も交えながら紹介し，心理療法というもののイメージをつかめるように説明していきます。

卒論課題の例：
○虐待的なしつけが子どもの対人関係に与える影響について －一般家庭群と被虐待 児群との比較から－
○否定的評価懸念が強迫傾向に及ぼす影響について －完全主義との関連で－
○消防職員の人間関係・一次ミーティングが惨事ストレス反応に及ぼす影響について

浜本　真規子　准教授

Makiko Hamamoto, Associate Professor

専門分野：臨床心理学、障害児・者支援

「障害」という概念は、医学の見解や社会的な状況を背景に変遷し続け、今なお確定的なものではありません。この講義では、そういった理解の上で、現時点での神経発達障害群等を概観していきます。そして障害を持つ人を理解しようとする行為が、他者理解にもつながる重要な行為であることを、講義を通じて学んでいきます。

石川　佳奈　講師

Kana Ishikawa, Lecturer

専門分野：臨床心理学、精神分析

（ゼミ［卒論］の担当なし）

主な科目：産業・組織心理学
働いたり消費したりする人々の心と行動の特性や組織レベルでみられるさまざまな現象を概説し，人々が仕事に取り組む際に直面する多様な課題への理解を深め，「働くとはどういうことか」を考える知識と視点を理解していきます。さらに，それらの理解を自分自身の経験と結びつけて考えることができるように，具体的な事例を取り上げたり，ワークを実施したりしながら説明していきます。

浦邉　綾子　講師

Ayako Urabe, Lecturer

専門分野：青年・成人期の心とメンタルヘルス

（ゼミ［卒論］の担当なし）

メンタルヘルスの維持と改善に関心を持ち、個人がもつパーソナリティ特性や自己受容をテーマとした研究に取り組んでいます。さらに、心身両面からのアプローチとして睡眠に着目し、臨床心理学的視点からの検討を重ねています。医療、教育、産業領域での経験を生かし、青年・成人期における心理的課題と支援策について研究を進めていきます。