心理学部のポリシー

違いを共に生きる

心の多様性と普遍性を理解する

心理学科は、〈心の多様性と普遍性の理解〉を基本理念として、人間行動のさまざまな現象を現代心理学の主要な領域から多角的な視点で総合的に究明する教育研究を行います。これにより、他者を尊重するとともに、自己を正しく表出しうる人材、さらには人間関係の中で生じる諸問題に適切に対処し得る人材を育成することを目的としています。

 

4年間の学びで身につける力

どのような人材を育てるのか(ディプロマポリシー)

現代の心理学は実証主義に基づく経験科学であり、また、現実生活で生じる人と人、人と環境のダイナミックな相互作用現象を問題にする行動科学です。したがって、現象を机上のみで理解するのではなく、現象を捉える客観的なデータの収集、分析、考察という段階的に積み上げていく科学的アプローチが必要とされます。心理学部ではこのような特徴をもつ現代心理学の学修を通じて、心の多様性と普遍性を理解し、他者を尊重するとともに、自己を正しく表出しうる人材、さらには人間関係の中で生じる諸問題に適切に対処し得る人材を育成することを目指しています。この目標を達成するため、人間行動のさまざまな現象を現代心理学の主要な領域である「生理・認知」「社会」「発達」「臨床」の4 つの領域から多角的な視点で総合的に究明するカリキュラムを編成し、以下のような知識・能力を身につけた者に学位を授与することとしています。

 

  • 心の多様性と普遍性、人と人、人と環境の相互作用を理解する力
  • 科学的な根拠に基づいて実証的に分析し、論理的に思考する力
  • 幅広い人間行動や社会現象の中から問題点を発見し解決していく力
  • ディスカッションやプレゼンテーションを含むコミュニケーション力

 

カリキュラムの特徴

初歩からアドバンスへ。科目のつながりを重視したカリキュラム(カリキュラムポリシー)

本学部が目指す『4つの知識・能力を身につけた人材』の養成を実現するために、以下のような方針でカリキュラムを編成しています。
『心の多様性、普遍性に気づき、人と社会がどのように相互作用するのかを理解する力』を効果的に獲得できるよう、「心理学的な視点の広さ」と「科目間の有機的なつながり」を十分に考慮して1、2年次の科目を配し、各授業を計画しています。また、それらの授業は専任教員が中心となって担当します。
「心理学」は、中等教育では学習されておらず、間違ったイメージを持っている可能性が高いことに鑑み、1年次には心理学の基礎知識を幅広く学べる科目を配置しています。心理学への興味関心を維持、喚起するため、1年次から2年次にかけては、段階的に、より高度で新しい心理学の知識の修得を目標とした科目を、「生理・認知」「社会」「発達」「臨床」の領域でそれぞれ配置しています。学生には、この4領域を偏りなく履修することを求めています。
心の多様性、普遍性に気づき、理解するためには、以上のような1、2年次での幅広い視点からの段階的学修が必要不可欠です。この幅広い視点をさらに広げるため、専門領域に特化した心理学講義・演習科目を3年次以降に配し、自由な履修を求めています。また、多様な視点を獲得できるように、教養および心理学関連の講義科目を1年次から配置しています。
『科学的根拠に基づいて実証的に分析し、それに基づいて論理的に思考する力』を学ぶため、知識を修得するための科目と同時に、1年次から実習、演習科目を必修としています。目には見えない心の働きを数量化、分類化することは、論理的に思考するために必要不可欠です。そのため、実際に他人からデータを採取する実習、演習科目を1年次から4年次まで、段階的に配置しています。実習、演習科目で扱う題材は、基礎的知識を修得する科目で学んだことに依拠するものとし、また実習、演習科目で求められるスキルもそれまでの科目で修得したものとしています。これらの実習、演習科目では、仮説の導出、データ収集・分析から結論を論理的に導く過程を学ぶだけでなく、グループでのディスカッションや、口頭、並びに研究レポートによる研究成果のプレゼンテーションを通じた、『コミュニケーション力』の向上も目指しています。
公認心理師資格取得を強く希望する学生には、1年次より講義科目並びに実習科目を段階的に履修するように求めています。公認心理師につながる心理職の知識・技能を獲得するために、1、2年次より心理職の知識や関連領域の講義科目を配置し、2年後期からは、心理的支援の知識に関する講義科目や心理的支援の技術に関する実習、演習科目を用意しています。
3年次以降の2年間は、専門演習、いわゆるゼミを用意し、ゼミに所属することを全員に求めています。これは、1、2年次で修得した基礎知識とスキルを基に、学生自らが見つけた問いを、学生自らが心理学的アプローチにより実証し、卒業研究として完遂することを求めるためです。これを修学の集大成としています。卒業研究完成にいたる過程は、『幅広い人間行動や社会現象の中から問題点を発見し解決する力』の向上につなげるものです。学生が研究を実施するにあたり、その多様な関心に応えられるよう、専門が異なる多くの専任教授陣を用意し十分な指導をおこないます。

受験生に期待すること

どのような学生を求めるのか(アドミッションポリシー)

①学生に期待すること
心理学部では、人間に関わるさまざまな現象に関心を持ち、論理的かつ客観的に分析していく姿勢が求められます。また、人の心の問題について自分なりの考えを持っているだけでなく、異なる意見を持つ人たちと議論しながら考えをまとめていくことも必要となります。こうした学修活動に積極的に取り組むことが期待されます。
② 学生募集に際して重視すること
心理学部では、自らおこなう心理学の研究を卒業論文という形でまとめます。そのためには、図表などからデータを読み取り、それに基づいて客観的に考え、まとめる力が必要です。また、自分の考えを主張するだけでなく、多角的な視点をふまえた上で他者と議論するコミュニケーションの力も必要となります。 さらに、本学心理学部で学べる内容についても、偏りなく把握しておくことが重要です。
③ 入学前学習として推奨すること
心理学では、文系・理系といった枠にとらわれません。文章理解力や数学的な分析力はもとより、人間の生物学的な特徴の理解も必要ですし、社会学的な視点も必要になります。つまり、主要教科の基礎学力をバランスよく確実に身につけておく必要があります。また、受験のための教科以外についても、高校までの学習内容を復習しておくことが大切です。

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